アンコールはリビングで
「……ま、ゆうべの分、ちゃんと体力回復しとけってこと」
一瞬なんのことか分からなかったけれど、彼の琥珀色の瞳がやけに楽しそうに私を(正確には、Tシャツから見える首元を)見つめているのに気づき、ピンときてしまった。
昨夜の記憶が蘇り、顔にカッと熱が集まる。
「……朝ごはんの席で言うことじゃないでしょ」
私が照れ隠しに軽く睨んでみせると、湊は「悪ぃ悪ぃ」と全く悪びれない様子で笑った。
湊から視線を逸らした時、私は自分の目の前に置かれた胡麻和えの器に気がついた。
縁が少しだけ波打った、アイボリーの小鉢。
火曜日に届いて、食器棚の最前列へ並べたばかりの、あの手作りの器だ。
「……あ、この胡麻和え。ねえ、湊。またこの小鉢にしてくれたんだ。……こんなふうに毎日使っちゃって、いいのかな」
「しまっとくために作ったんじゃねぇだろ。毎日使うから、いいんだよ」
湊は何でもないことのように言いながら、自分の味噌汁のお椀を持ち上げた。
「……俺のあのどんぶりも、これからいっぱい使ってくれ」
ぶっきらぼうな口調の裏にある優しさに、私は口元がゆるむのを隠すように、慌てて両手を合わせた。
一瞬なんのことか分からなかったけれど、彼の琥珀色の瞳がやけに楽しそうに私を(正確には、Tシャツから見える首元を)見つめているのに気づき、ピンときてしまった。
昨夜の記憶が蘇り、顔にカッと熱が集まる。
「……朝ごはんの席で言うことじゃないでしょ」
私が照れ隠しに軽く睨んでみせると、湊は「悪ぃ悪ぃ」と全く悪びれない様子で笑った。
湊から視線を逸らした時、私は自分の目の前に置かれた胡麻和えの器に気がついた。
縁が少しだけ波打った、アイボリーの小鉢。
火曜日に届いて、食器棚の最前列へ並べたばかりの、あの手作りの器だ。
「……あ、この胡麻和え。ねえ、湊。またこの小鉢にしてくれたんだ。……こんなふうに毎日使っちゃって、いいのかな」
「しまっとくために作ったんじゃねぇだろ。毎日使うから、いいんだよ」
湊は何でもないことのように言いながら、自分の味噌汁のお椀を持ち上げた。
「……俺のあのどんぶりも、これからいっぱい使ってくれ」
ぶっきらぼうな口調の裏にある優しさに、私は口元がゆるむのを隠すように、慌てて両手を合わせた。