アンコールはリビングで
「……いただきます」

お味噌汁を一口飲むと、温かい旨味がお腹の底まで染みていった。

昆布と鰹節から、ちゃんと一番出汁を取ってくれたのが分かる、澄んでいて優しい味だ。

二人でひととおり定食を食べ終えた頃、湊がふと思い出したように立ち上がり、冷蔵庫から小さなガラスの器を出してきた。

中身は、真っ白なヨーグルトの上に薄く切った瑞々しい桃が並んでいて、黄金色のはちみつがつつ、と綺麗な線を引いている。

器の表面が、冷蔵庫の冷たさでうっすらと曇っていた。

「……えっ、桃! ねえ、湊。これ、いつの間に作ってくれたの?」

「昨日の夜から水切っといた。凪、こういうの好きだろ」

湊はテーブルに器を置くと、スプーンでヨーグルトと桃をひとすくいして、そのまま私の口元へと差し出してきた。

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