アンコールはリビングで
3. ドライヤーの手

ゆったりとした朝食を終え、私は一人、シャワーを浴びた。

昨晩のことを不意に思い出してしまって、火照った顔に少し冷たいシャワーを当てる。

濡れた髪をタオルで包み、再び湊のTシャツを被ってリビングへ向かうと、湊が定位置のソファに座り、コーヒーを飲みながらスマホを弄っていた。

本当は、ここまでにするつもりだった。

休日の朝からワガママを言って朝ごはんを作ってもらっただけで、今日はもう充分すぎるくらい贅沢だ。

これ以上は調子に乗りすぎだ、といつもの私がブレーキをかけようとする。

でも。

ヨーグルトを「あーん」してくれた時の、あからさまに動揺して赤くなった彼の耳が、どうしても頭から離れなくて。

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