アンコールはリビングで
甘やかされるのは、どうやら癖になるらしい。

これまで頑なに、しっかりした年上の彼女でいるんだと気を張っていた反動なのか、明日のデートではどうやって甘えてみようかと、ぼんやり考えている自分がいる。

『俺、凪になら一生顎で使われてもいいわ』

さっき湊が言った言葉。

冗談みたいな言い方だったけれど、たぶんあれは本気なのだと思う。

私がこの甘い居心地の良さを手放せなくなるのと同じように。

湊も、私を甘やかすのをやめる気なんて、この先一生ないのだろう。

私の手を包み込んだままの彼の手は、しばらく離れそうにない。

お昼に何を作ってもらうかは、もう少しあとで考えればいいかと、私は彼の胸にもたれたまま、この甘くて緩やかな時間に、もうしばらく浸っていることにした。
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