アンコールはリビングで
(……昨日の続き、したいなぁ)

強い日差しを日傘で遮りながら、私は彼の大きな背中を見つめて、心の中でこっそりと呟いた。

昨日、私は彼に甘えることの本当の心地よさを知った。

ワガママを言ってご飯を作ってもらったり、髪を乾かしてもらったりするうちに、彼がいつも私に見せる『俺様』な態度の裏側にある、深い愛情に気がついたのだ。

今日の買い物デートでは、どうやって彼に甘えようか。

朝からずっと、そんなことばかり考えていた。

けれど、いざ家の外に出てしまうと、どうにも勝手が分からない。

家の中なら、ソファで寝転がったまま「お腹すいた」とねだることもできた。

でも、街中で大の大人がどうやって彼に甘えればいいというのだろう。

自分の不器用さに呆れながら無言で歩いていると、少し前を歩いていた湊が、ふい、と足を止めて振り返った。

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