アンコールはリビングで
2. 寄り道と、小さな我慢

目的の器屋さんに向かう途中。

メインストリートから一本外れた静かな通りで、こぢんまりとしたアンティーク調のセレクトショップの前を通りかかった。

ショーウィンドウに飾られた涼しげなガラス小物が綺麗で、私がふと足を止めると、手を繋いでいた湊もピタリと歩みを止めた。

「なんか気になるのあったか?」

「うん。あのガラスの小瓶、うちの玄関に一輪挿しとして置いたら可愛いかもって思って」

「へえ。入ってみるか」

店内には私たち以外に客はおらず、静かなクラシックが流れていた。

私は一輪挿しをいくつか手に取って眺めていたが、少し離れたアクセサリーの棚を見ていた湊が、「凪」と小さな声で私を呼んだ。

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