アンコールはリビングで
「……んー。すごく可愛いけど、今日はちょっと考えようかな」

私は苦笑いしながら、湊の手にあったバレッタをそっと受け取り、元の棚へと戻した。

湊は少し不思議そうな顔をして、棚のバレッタと私を交互に見た。

「なんだ、やめとくの? デザインは凪の好みなんだろ?」

「うん、どストライク。でも、ちょっと最近出費が多かったからさ」

「ふーん……そうか。……ほら、一輪挿しはいいのかよ」

湊にひょいと顎で促され、私は「あっ、そうだった」と一輪挿しの棚へと戻った。

結局、一輪挿しもしっくりくるものがなく、数分後、私たちはそのまま店を出ることにした。

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