アンコールはリビングで
「……湊のそのケーキ、すごく美味しそう。……私にも、ひとくち、くれる?」
「ん、いいよ。食う?」
湊はフォークでケーキを小さく切り分けると、横のクリームを少しすくって乗せた。
いつもの彼なら、ここで迷わず私の口元へフォークを運んできたはずだ。
けれど今日の彼は、切り分けたケーキをフォークに乗せたまま、手元でピタリと動きを止めた。
そして、どこか試すような、私の次の言葉をじっと待っているような、意味ありげな視線を向けてきたのだ。
(……わざとだ)
心臓が、ドクンと大きく跳ねる。
顔が熱くなるのを感じながら、私は上目遣いで彼を見つめ返した。
「……あーん、して、ほしいな」
「……」
湊は、隠しきれないほどに口角をゆるゆると引き上げた。
私が言葉にするのを待っていたくせに、いざ言われると少しだけ照れくさそうに目を細めて。
それから、ケーキを乗せたフォークを、ゆっくりと私の口元へと差し出してきたのだ。
「ん、いいよ。食う?」
湊はフォークでケーキを小さく切り分けると、横のクリームを少しすくって乗せた。
いつもの彼なら、ここで迷わず私の口元へフォークを運んできたはずだ。
けれど今日の彼は、切り分けたケーキをフォークに乗せたまま、手元でピタリと動きを止めた。
そして、どこか試すような、私の次の言葉をじっと待っているような、意味ありげな視線を向けてきたのだ。
(……わざとだ)
心臓が、ドクンと大きく跳ねる。
顔が熱くなるのを感じながら、私は上目遣いで彼を見つめ返した。
「……あーん、して、ほしいな」
「……」
湊は、隠しきれないほどに口角をゆるゆると引き上げた。
私が言葉にするのを待っていたくせに、いざ言われると少しだけ照れくさそうに目を細めて。
それから、ケーキを乗せたフォークを、ゆっくりと私の口元へと差し出してきたのだ。