アンコールはリビングで
4. 夕陽とツンデレ
何度かの休憩を挟み、撮影は順調(?)に進んだ。
時刻は夕方。いよいよ今日のクライマックス、山頂でのシーンだ。
本物の夕陽をバックにするため、一発勝負に近い緊張感が漂う。
「あー! 夕陽、綺麗ですね! 自分の足で登ってきたご褒美、最高じゃないですか!?」
舞花の言葉に、ヘトヘトになった怜司が顔を上げる。
目の前には、茜色に染まる空と山々。
「……君、普段からこんな風に過ごしてるのか?」
「そうですよ! たまにはこうやって、スマホも触らずに、アナログに過ごすのも悪くなかったでしょう?」
舞花の笑顔に、怜司の冷徹な仮面が少しだけ剥がれ落ちる。
「……まあ、君が言うことも、分からなくはないな」
「……キミキミって……今日も一日中キミキミ言ってましたよね、佐伯さん。平安時代じゃないんですから! もう、私にはちゃんと名前があるんですよ? 『舞花』って覚えてました?」
舞花が頬を膨らませて抗議する。
怜司はバツが悪そうに視線を逸らし、咳払いをした。
「うむ……覚えては、いるが……」
「そうなら、そう呼んでください! 舞花って! キミ、はもう無しですよ?」
「……わかった。善処する。……ま、舞花くん」
照れくさそうに名前を呼ぶ怜司。
その横顔が夕陽に照らされ、不器用な優しさが滲み出る。
何度かの休憩を挟み、撮影は順調(?)に進んだ。
時刻は夕方。いよいよ今日のクライマックス、山頂でのシーンだ。
本物の夕陽をバックにするため、一発勝負に近い緊張感が漂う。
「あー! 夕陽、綺麗ですね! 自分の足で登ってきたご褒美、最高じゃないですか!?」
舞花の言葉に、ヘトヘトになった怜司が顔を上げる。
目の前には、茜色に染まる空と山々。
「……君、普段からこんな風に過ごしてるのか?」
「そうですよ! たまにはこうやって、スマホも触らずに、アナログに過ごすのも悪くなかったでしょう?」
舞花の笑顔に、怜司の冷徹な仮面が少しだけ剥がれ落ちる。
「……まあ、君が言うことも、分からなくはないな」
「……キミキミって……今日も一日中キミキミ言ってましたよね、佐伯さん。平安時代じゃないんですから! もう、私にはちゃんと名前があるんですよ? 『舞花』って覚えてました?」
舞花が頬を膨らませて抗議する。
怜司はバツが悪そうに視線を逸らし、咳払いをした。
「うむ……覚えては、いるが……」
「そうなら、そう呼んでください! 舞花って! キミ、はもう無しですよ?」
「……わかった。善処する。……ま、舞花くん」
照れくさそうに名前を呼ぶ怜司。
その横顔が夕陽に照らされ、不器用な優しさが滲み出る。