アンコールはリビングで
そして、社会人2年目。
仕事にも慣れ、少し余裕が出てきた頃、同僚に連れ出された合コンで出会った営業職の彼。
彼とは仕事への熱量が似ていて、最初はうまくいくと思った。
けれど、私が担当するプロジェクトが佳境に入り、残業や休日出勤が増えると、雲行きが怪しくなった。
『今週も会えないの?』
『俺、凪にとって何番目?』
スマホに届く不満の通知。
そして、クリスマスの2週間前。
イルミネーション案件の施工管理で、極寒の現場に張り付いていた私に、彼が放った言葉は、あまりにもドラマチックで、そして陳腐だった。
「仕事と俺、どっちが大事なの?」
受話器の向こうで、私はヘルメットを被ったまま、冷静に「マジか」と呟いてしまった。
仕事は生活の糧であり、自己実現の場。彼は恋人。
比べる土俵が違うものを天秤にかける時点で、この人とは一生分かり合えないと悟った。
「……ごめん。今は、目の前の現場(仕事)が一番大事」
そう告げて電話を切った時、不思議と涙は出なかった。
やっぱり私は、可愛げのない女なのだ。
そうして私は「お一人様」のクリスマスを現場で迎え――。
仕事にも慣れ、少し余裕が出てきた頃、同僚に連れ出された合コンで出会った営業職の彼。
彼とは仕事への熱量が似ていて、最初はうまくいくと思った。
けれど、私が担当するプロジェクトが佳境に入り、残業や休日出勤が増えると、雲行きが怪しくなった。
『今週も会えないの?』
『俺、凪にとって何番目?』
スマホに届く不満の通知。
そして、クリスマスの2週間前。
イルミネーション案件の施工管理で、極寒の現場に張り付いていた私に、彼が放った言葉は、あまりにもドラマチックで、そして陳腐だった。
「仕事と俺、どっちが大事なの?」
受話器の向こうで、私はヘルメットを被ったまま、冷静に「マジか」と呟いてしまった。
仕事は生活の糧であり、自己実現の場。彼は恋人。
比べる土俵が違うものを天秤にかける時点で、この人とは一生分かり合えないと悟った。
「……ごめん。今は、目の前の現場(仕事)が一番大事」
そう告げて電話を切った時、不思議と涙は出なかった。
やっぱり私は、可愛げのない女なのだ。
そうして私は「お一人様」のクリスマスを現場で迎え――。