アンコールはリビングで
「……なにそれ」
「え?」
「その頃の凪に会いたかったわ。ていうか、その見る目のない男たち全員並べて説教してやりたい」
湊は本気で腹を立てているような、子供みたいに拗ねたような目で私を睨んだ。
「俺なら絶対、そのUKロックバンドの話で朝まで盛り上がれたのに。俺なら……凪が選んだ洋楽の良さも、仕事にかける熱量も、全部『すげえじゃん』って面白がれたのに」
その言葉は、あまりにも真っ直ぐで、私の胸の奥の古い傷跡を撫でるように響いた。
対抗心を燃やしてムキになっている彼が、なんだかおかしくて、愛おしい。
「……ふふ。そうだね」
私は手を伸ばし、少し尖った彼の唇に指で触れた。
「でも、そのおかげで設計図を書き直して、その先に湊がいたんだから。……結果オーライってことで」
「……ちっ。ま、今は俺が一番近くにいるからな」
湊は私の指を軽く甘噛みすると、満足げにまた私の肩に頭を預けてきた。
不協和音ばかりだった私の過去。
けれど、そのすべてのノイズは、この心地よい音色(湊)に出会うためのチューニングだったのかもしれない。
そして、記憶はまたあの頃に巻き戻る。
私が「仕事人間」としてのアクセルを全開に踏み込み、そして運命の相手と出会った、6年前へ――。
「え?」
「その頃の凪に会いたかったわ。ていうか、その見る目のない男たち全員並べて説教してやりたい」
湊は本気で腹を立てているような、子供みたいに拗ねたような目で私を睨んだ。
「俺なら絶対、そのUKロックバンドの話で朝まで盛り上がれたのに。俺なら……凪が選んだ洋楽の良さも、仕事にかける熱量も、全部『すげえじゃん』って面白がれたのに」
その言葉は、あまりにも真っ直ぐで、私の胸の奥の古い傷跡を撫でるように響いた。
対抗心を燃やしてムキになっている彼が、なんだかおかしくて、愛おしい。
「……ふふ。そうだね」
私は手を伸ばし、少し尖った彼の唇に指で触れた。
「でも、そのおかげで設計図を書き直して、その先に湊がいたんだから。……結果オーライってことで」
「……ちっ。ま、今は俺が一番近くにいるからな」
湊は私の指を軽く甘噛みすると、満足げにまた私の肩に頭を預けてきた。
不協和音ばかりだった私の過去。
けれど、そのすべてのノイズは、この心地よい音色(湊)に出会うためのチューニングだったのかもしれない。
そして、記憶はまたあの頃に巻き戻る。
私が「仕事人間」としてのアクセルを全開に踏み込み、そして運命の相手と出会った、6年前へ――。