アンコールはリビングで
2. 共鳴する夜
初日の印象から想像していた通り、早瀬さんはただの生意気な若手社員ではなかった。
仕事が、恐ろしくできる。
風の噂ではまだ入社2年目らしいが、それでこの重要パートのリーダーを任されるのも納得の働きぶりだった。
膨大な資料の読み込み、論理的な修正指示、スケジュールの管理能力。どれをとっても隙がない。
だが、そのあまりに合理的で、時に冷淡な物言いや態度は、現場の人間には不評だった。
うちの社内でも、彼は密かに「氷の王子」と呼ばれ、恐れられていた。
「あの氷の王子、また細かい修正入れてきましたよ……マジで細かすぎません?」
「人間味がなさすぎるんだよなぁ」
同僚たちは給湯室でそんな愚痴をこぼしていたが、私は「そうかな?」と聞き流していた。
よくよく内容を確認すれば、悪いのは検証不足だったこちらの担当者であり、早瀬さんの指摘は常に「施設のクオリティを高めるため」という一点において正しかったからだ。
生意気でも冷徹でも、仕事ができるなら無問題(モーマンタイ)。
私はむしろ、馴れ合いのない彼のスタンスを心地よくすら感じていた。
初日の印象から想像していた通り、早瀬さんはただの生意気な若手社員ではなかった。
仕事が、恐ろしくできる。
風の噂ではまだ入社2年目らしいが、それでこの重要パートのリーダーを任されるのも納得の働きぶりだった。
膨大な資料の読み込み、論理的な修正指示、スケジュールの管理能力。どれをとっても隙がない。
だが、そのあまりに合理的で、時に冷淡な物言いや態度は、現場の人間には不評だった。
うちの社内でも、彼は密かに「氷の王子」と呼ばれ、恐れられていた。
「あの氷の王子、また細かい修正入れてきましたよ……マジで細かすぎません?」
「人間味がなさすぎるんだよなぁ」
同僚たちは給湯室でそんな愚痴をこぼしていたが、私は「そうかな?」と聞き流していた。
よくよく内容を確認すれば、悪いのは検証不足だったこちらの担当者であり、早瀬さんの指摘は常に「施設のクオリティを高めるため」という一点において正しかったからだ。
生意気でも冷徹でも、仕事ができるなら無問題(モーマンタイ)。
私はむしろ、馴れ合いのない彼のスタンスを心地よくすら感じていた。