アンコールはリビングで
Demo Tape 3 名前のない関係
1. 観客はひとり
11月の日曜日。
秋の空気が冷たく澄み渡る昼下がり、ガレリアプラザの内覧会は滞りなく進行していた。
リニューアルに合わせて施されたクリスマスの華やかな装飾の下、ビジネススーツに身を包んだ招待客たちが、ウェルカムドリンクのグラスを片手に談笑している。
俺は白井不動産の担当者として、完璧な笑顔を貼り付けながら会場を巡回していた。
だが、その視線は無意識のうちに会場の隅々を彷徨っていた。
(……いないな)
あの夜、非常階段で意気投合した彼女――水沢凪さんの姿を探していた。
ラッピングデザインを担当した彼女の会社も招待されているはずだ。
何度かそれらしきスーツ姿の集団を見かけたが、その中に彼女はいなかった。
(忙しいのか…それとも、俺がいないタイミングで来てたのか)
俺は手元のグラスの水滴を指で拭いながら、小さく息を吐いた。
11月の日曜日。
秋の空気が冷たく澄み渡る昼下がり、ガレリアプラザの内覧会は滞りなく進行していた。
リニューアルに合わせて施されたクリスマスの華やかな装飾の下、ビジネススーツに身を包んだ招待客たちが、ウェルカムドリンクのグラスを片手に談笑している。
俺は白井不動産の担当者として、完璧な笑顔を貼り付けながら会場を巡回していた。
だが、その視線は無意識のうちに会場の隅々を彷徨っていた。
(……いないな)
あの夜、非常階段で意気投合した彼女――水沢凪さんの姿を探していた。
ラッピングデザインを担当した彼女の会社も招待されているはずだ。
何度かそれらしきスーツ姿の集団を見かけたが、その中に彼女はいなかった。
(忙しいのか…それとも、俺がいないタイミングで来てたのか)
俺は手元のグラスの水滴を指で拭いながら、小さく息を吐いた。