アンコールはリビングで
顔を上げると、そこには見覚えのあるベージュのスーツにロングコートを着た女性が立っていた。
「……っ!」
水沢さんだ。
驚きと喜びで、歌詞が喉に詰まりそうになる。
なんとか持ち直して歌い続けると、彼女は俺の歌を遮ることなく、じっと聴き入ってくれた。
曲が終わる。
俺はギターを置くのも忘れて、ベンチから立ち上がった。
いつもの冷静な自分からは考えられないほど、余裕のない声が出た。
「水沢さんっ……!」
「早瀬さん!」
声が重なり、二人して顔を見合わせた。
次の瞬間、どちらからともなく笑いがこみ上げてきた。
「……来てくれたんですね」
「当たり前ですよ! 私、あの合同ライブの夜からずっと、早瀬さんの歌が頭から離れなくて……」
彼女は興奮した様子で、身ぶり手ぶりを交えて話し出した。
「あの夜のライブ、本当に最高でした。非常階段でワンフレーズ聴いただけでも衝撃でしたけど……ステージ上の早瀬さんは、もうたまらなかったです。私、本当にファンになっちゃいました!」
真っ直ぐな瞳で告げられた「ファン」という言葉に、胸が熱くなる。
俺は照れ臭さを隠しながら、気になっていたことを尋ねた。
「ありがとうございます。でも、あの夜、すぐ帰っちゃいましたよね? 何かあったんですか?」
「あ、それは……」
彼女は少しバツが悪そうに苦笑いをした。
「……っ!」
水沢さんだ。
驚きと喜びで、歌詞が喉に詰まりそうになる。
なんとか持ち直して歌い続けると、彼女は俺の歌を遮ることなく、じっと聴き入ってくれた。
曲が終わる。
俺はギターを置くのも忘れて、ベンチから立ち上がった。
いつもの冷静な自分からは考えられないほど、余裕のない声が出た。
「水沢さんっ……!」
「早瀬さん!」
声が重なり、二人して顔を見合わせた。
次の瞬間、どちらからともなく笑いがこみ上げてきた。
「……来てくれたんですね」
「当たり前ですよ! 私、あの合同ライブの夜からずっと、早瀬さんの歌が頭から離れなくて……」
彼女は興奮した様子で、身ぶり手ぶりを交えて話し出した。
「あの夜のライブ、本当に最高でした。非常階段でワンフレーズ聴いただけでも衝撃でしたけど……ステージ上の早瀬さんは、もうたまらなかったです。私、本当にファンになっちゃいました!」
真っ直ぐな瞳で告げられた「ファン」という言葉に、胸が熱くなる。
俺は照れ臭さを隠しながら、気になっていたことを尋ねた。
「ありがとうございます。でも、あの夜、すぐ帰っちゃいましたよね? 何かあったんですか?」
「あ、それは……」
彼女は少しバツが悪そうに苦笑いをした。