アンコールはリビングで
「あ、しまっ、吹きこぼれる――!」

画面の中で神様が最高の笑みを浮かべた瞬間、私は慌てて手元のスマホの画面を伏せた。

コトコト、グツグツ。

鍋の火力を落とすと、お出汁の優しく波打つ音が朝の澄んだ空気に溶けていく。

キッチンに立ち込めたのは、優雅なコーヒーの香り……ではなく、黄金色の出汁の香りだ。

鍋の中では、私が厳選した昆布と鰹節から取った一番出汁が、ふつふつと踊っている。

「……ふぅ、危ない危ない。でも、いい香り」

私は大きく深呼吸をして、満足げに頷いた。

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