アンコールはリビングで

Demo Tape 6 - Take 2 シュガーコートの包囲網

5. 25時の充電

その数日後、深夜1時。

終電もなくなり、激務でボロボロになった俺は、タクシーの中でふと凪さんの家の近くを通ることに気づいた。

会いたい。顔が見たい。

理性が叫ぶ前に、指が動いていた。

『夜更けにすみません。今、凪さん家の近く通るんで、ほんの少しだけ外、出れませんか?』

(……急に家に来るなんて、ストーカーかよ俺。でもダメだ、今は凪さんの顔見ねぇとやってらんねぇ……)

こんな遅い時間だ。
ほんの少し顔を見て、二、三言葉を交わせれば、それだけでよかったはずだった。

「早瀬くん!?」

タクシーを待たせたまま外に出ると、スウェットに上着を羽織った凪さんが駆け寄ってきた。

彼女の姿を見た瞬間、俺の「顔を見るだけでいい」なんて理性は消え失せた。

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