アンコールはリビングで
「……っ、あれは……!」

私の顔が、沸騰したように熱くなるのが分かった。
ドラマの余韻なんて一瞬で吹き飛んでしまった。

「あれは、湊が強引すぎたっていうか……その……」

「強引? なに人聞き悪いこと言ってんの。凪だって、俺のこと好きで好きでたまらない顔してたじゃん」

「なっ……! してない!」

「してたね。楽器屋から逃げた後、『……ほんと、ずるい』って真っ赤な顔して漏らしてたの、一生忘れないからな」

「〜〜〜っ! 聞こえてたんじゃん!!」

あの時「録音しとけばよかった」と騒いでいたくせに、やっぱりしっかり聞いて、しかも私の好意を確信していたのだ。
この男、本当に性格が悪い。

「当たり前だろ。あんな美味い言葉、聞き逃すわけねぇじゃん」

湊は私の膝から体を起こすと、そのまま私の肩を抱き寄せ、ソファに押し倒すような体勢になった。

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