アンコールはリビングで
15 記憶のリンクコーデ
1. 記憶の色と、玄関先のエスケープ
週末のオフを合わせた、2月末の土曜日。
雲ひとつない冬晴れの空の下、私たちは久しぶりにお出かけの準備をしていた。
ドラマの撮影やレコーディングが立て込んでいた湊にとって、丸一日空いたオフは本当に久しぶりだ。
寝室の全身鏡の前で、私は淡いラベンダー色の春物カーディガンに、ふわりと揺れるシフォンスカートを合わせた。
作り込みすぎない自然な清潔感を意識して、前髪を軽く整え、毛先をふんわりと内巻きにする。
窓から入り込む風はまだまだ冷たいけれど、アパレルショップのショーウィンドウはすっかり春模様に切り替わっているはずだ。
何よりこのラベンダー色は、ホワイトデー――彼からあの屋上庭園で告白された夜に、私が着ていたワンピースの色にそっくりだった。
(……よし、変じゃないよね)
少しだけ浮かれた気分でリップを塗り直し、寝室を出てリビングへと向かう。
すると、ちょうど洗面所から身支度を終えた湊が出てきたところだった。
週末のオフを合わせた、2月末の土曜日。
雲ひとつない冬晴れの空の下、私たちは久しぶりにお出かけの準備をしていた。
ドラマの撮影やレコーディングが立て込んでいた湊にとって、丸一日空いたオフは本当に久しぶりだ。
寝室の全身鏡の前で、私は淡いラベンダー色の春物カーディガンに、ふわりと揺れるシフォンスカートを合わせた。
作り込みすぎない自然な清潔感を意識して、前髪を軽く整え、毛先をふんわりと内巻きにする。
窓から入り込む風はまだまだ冷たいけれど、アパレルショップのショーウィンドウはすっかり春模様に切り替わっているはずだ。
何よりこのラベンダー色は、ホワイトデー――彼からあの屋上庭園で告白された夜に、私が着ていたワンピースの色にそっくりだった。
(……よし、変じゃないよね)
少しだけ浮かれた気分でリップを塗り直し、寝室を出てリビングへと向かう。
すると、ちょうど洗面所から身支度を終えた湊が出てきたところだった。