アンコールはリビングで
「……で? 食後のデザート、どれで悩んでんの?」

食後のコーヒーを飲みながら、私がデザートのメニューと睨めっこしていると、向かいの席で頬杖をついた湊が面白そうに聞いてきた。

「えっとね……この王道のティラミスも絶対美味しいと思うんだけど、こっちの『ピスタチオとベリーのカッサータ』も彩りが綺麗で捨てがたいの。うーん……どっちも美味しそうで決められない……!」

「ふーん」

湊は私の手元のメニューをチラリと覗き込むと、通りかかったウェイターにスッと右手を挙げた。

「すみません。このティラミスと、ピスタチオのカッサータ。両方一つずつお願いします」

「えっ、湊?」

「どっちも頼んで、俺と分けようぜ。それなら両方食えるだろ」

事もなげにサラッと言ってのけるそのスマートさに、私はハッとして、じわじわと嬉しさが込み上げてきた。

「……ありがと。湊、優しい」

「別に。俺も甘いもん食いたかっただけ」

照れ隠しのように視線を逸らす湊に、私は思わず頬を緩ませた。

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