アンコールはリビングで
やがて、美しいお皿に乗せられた二つのデザートが運ばれてきた。
私が目を輝かせていると、湊は自分の手元に置かれたティラミスをスプーンで小さくすくい、テーブル越しに私の方へと差し出してきた。
「ん」
「えっ……」
「ほら、早く。こぼれる」
少し不器用な手つきで「あーん」をしてくれる湊に、私は周囲の目がない個室とはいえドギマギしてしまう。
けれど、彼の真剣な眼差しに急かされ、私は少し背伸びをするようにして、そのティラミスをパクリと口に含んだ。
「……っ、おいしい……!」
マスカルポーネの濃厚な甘さと、エスプレッソのほろ苦さが口いっぱいに広がる。
私が幸せを噛み締めていると……ふと、強烈な視線を感じた。
目を開けると、フォークを持ったままの湊が、琥珀色の瞳でじっと、穴が開くほど私を見つめている。
(……あ。これ、もしかして……)
言葉には出さないけれど、完全に「あーん待ち」の顔だ。
普段はあんなに俺様で堂々としているのに、こういうところは本当に、ご褒美を待つ大型犬そっくりでたまらない。
(……か、可愛い……)
私は込み上げてくる照れを必死に抑えながら、自分の手元にあるピスタチオのカッサータをスプーンですくい、彼の方へとそっと差し出した。
「……あ、あーん……?」
「……ん」
湊は待ってましたとばかりに身を乗り出し、私のスプーンからパクリとデザートを口に入れた。
そして、冷たいアイスケーキを咀嚼しながら、これ以上ないほど満足げに目を細めた。
「……うん、美味い。凪が選んだやつ、正解だな」
口元にほんの少しだけクリームをつけたまま笑う彼が愛おしくて、私は胸の奥が甘く溶けていくのを感じていた。
私が目を輝かせていると、湊は自分の手元に置かれたティラミスをスプーンで小さくすくい、テーブル越しに私の方へと差し出してきた。
「ん」
「えっ……」
「ほら、早く。こぼれる」
少し不器用な手つきで「あーん」をしてくれる湊に、私は周囲の目がない個室とはいえドギマギしてしまう。
けれど、彼の真剣な眼差しに急かされ、私は少し背伸びをするようにして、そのティラミスをパクリと口に含んだ。
「……っ、おいしい……!」
マスカルポーネの濃厚な甘さと、エスプレッソのほろ苦さが口いっぱいに広がる。
私が幸せを噛み締めていると……ふと、強烈な視線を感じた。
目を開けると、フォークを持ったままの湊が、琥珀色の瞳でじっと、穴が開くほど私を見つめている。
(……あ。これ、もしかして……)
言葉には出さないけれど、完全に「あーん待ち」の顔だ。
普段はあんなに俺様で堂々としているのに、こういうところは本当に、ご褒美を待つ大型犬そっくりでたまらない。
(……か、可愛い……)
私は込み上げてくる照れを必死に抑えながら、自分の手元にあるピスタチオのカッサータをスプーンですくい、彼の方へとそっと差し出した。
「……あ、あーん……?」
「……ん」
湊は待ってましたとばかりに身を乗り出し、私のスプーンからパクリとデザートを口に入れた。
そして、冷たいアイスケーキを咀嚼しながら、これ以上ないほど満足げに目を細めた。
「……うん、美味い。凪が選んだやつ、正解だな」
口元にほんの少しだけクリームをつけたまま笑う彼が愛おしくて、私は胸の奥が甘く溶けていくのを感じていた。