アンコールはリビングで
2. 突然のバカップル劇場
お腹も心も満たされ、レストランを出た私たちは、腹ごなしに吹き抜けの広場をのんびりと歩いていた。
ふと頭上を見上げると、巨大な広告ポスターが吊るされているのが目に入った。
『嘘つきAIと恋のバグ』。
完璧なダークネイビーのスーツを着こなし、冷徹な視線を下ろす佐伯怜司――つまり、早瀬湊の姿だ。
(……ふふっ。画面の中じゃあんなに冷徹なIT社長なのに、さっきは私に『あーん』のおねだりをしてたなんて、誰も想像つかないだろうな)
なんだかおかしくて、私はポスターと隣を歩く彼を交互に見比べて、一人で密かな優越感に浸っていた。
その時だった。
「……ねぇ、あのコートの人……ポスターの怜司さんに似てない?」
「嘘、えっ……本物!?」
すれ違った女子高生のグループが、ピタリと足を止め、ポスターと湊の顔を見比べてざわめき始めた。
まずい。
伊達メガネとマスクで顔の半分は隠れているとはいえ、あの圧倒的なスタイルと滲み出るオーラは隠しきれていない。
湊も視線に気づき、舌打ちをこらえて体を強張らせた。
(どうしよう、このままじゃ囲まれる……!)
お腹も心も満たされ、レストランを出た私たちは、腹ごなしに吹き抜けの広場をのんびりと歩いていた。
ふと頭上を見上げると、巨大な広告ポスターが吊るされているのが目に入った。
『嘘つきAIと恋のバグ』。
完璧なダークネイビーのスーツを着こなし、冷徹な視線を下ろす佐伯怜司――つまり、早瀬湊の姿だ。
(……ふふっ。画面の中じゃあんなに冷徹なIT社長なのに、さっきは私に『あーん』のおねだりをしてたなんて、誰も想像つかないだろうな)
なんだかおかしくて、私はポスターと隣を歩く彼を交互に見比べて、一人で密かな優越感に浸っていた。
その時だった。
「……ねぇ、あのコートの人……ポスターの怜司さんに似てない?」
「嘘、えっ……本物!?」
すれ違った女子高生のグループが、ピタリと足を止め、ポスターと湊の顔を見比べてざわめき始めた。
まずい。
伊達メガネとマスクで顔の半分は隠れているとはいえ、あの圧倒的なスタイルと滲み出るオーラは隠しきれていない。
湊も視線に気づき、舌打ちをこらえて体を強張らせた。
(どうしよう、このままじゃ囲まれる……!)