アンコールはリビングで
4. 明日へのチャージ
気づけば、窓の外は夕暮れ時のマジックアワーに染まっていた。
テレビのエンドロールが静かに流れている。
映画はとっくに終わっているはずだが、ストーリーの後半なんて、もう欠片も覚えていない。
ソファの上、乱れたブランケットの重み。
私たちは、言葉を交わすよりも深く互いの体温を分け合った後の、甘い気怠さの中にいた。
「……ん……」
私の首元に顔を埋めたまま、湊が満足げに喉を鳴らす。
触れ合う肌から伝わる熱は、さっきまでよりもずっと高く、心地よい。
言葉にしなくても、この数時間の甘い沈黙が、今の私たちのすべてだった。
部屋の空気そのものが、熱を帯びてとろけてしまったかのようだ。
「……あーあ。日曜日、終わっちゃうね」
私がぽつりと呟くと、湊が私の腰を抱き寄せる手に、ぎゅっと力を込めた。
その、離したくないと言わんばかりの強引な熱さが、今は何よりも愛おしい。
「……言うな。現実に戻る」
「ふふ。明日は早い?」
「ん。朝イチでドラマの番宣の撮影。……あー、ダルい。行きたくねぇ」
彼は私の服の裾をギュッと握りしめ、子供のように駄々をこねる。
さっきまであんなに深く私を求めてきた男の顔はどこへやら、「国民的スター」の面影もゼロだ。
このギャップに、私は何度惚れ直せばいいのだろう。
「でも、行くんでしょ?」
「……おう。行かねぇと、俺の一番のファンが悲しむだろ」
彼は顔を上げ、私の頬をつんとつついた。
「俺のかっこいいとこ、たまには拝ませてやらねぇとな」
「……はいはい。楽しみにしてますよ」
「おう。しっかり録画しとけよ」
憎まれ口を叩きながらも、その瞳は少し照れくさそうに揺れている。
仕事へのプロ意識と、私への不器用なサービス精神。
それが彼なりの「愛してる」のサインだと、私は知っている。
気づけば、窓の外は夕暮れ時のマジックアワーに染まっていた。
テレビのエンドロールが静かに流れている。
映画はとっくに終わっているはずだが、ストーリーの後半なんて、もう欠片も覚えていない。
ソファの上、乱れたブランケットの重み。
私たちは、言葉を交わすよりも深く互いの体温を分け合った後の、甘い気怠さの中にいた。
「……ん……」
私の首元に顔を埋めたまま、湊が満足げに喉を鳴らす。
触れ合う肌から伝わる熱は、さっきまでよりもずっと高く、心地よい。
言葉にしなくても、この数時間の甘い沈黙が、今の私たちのすべてだった。
部屋の空気そのものが、熱を帯びてとろけてしまったかのようだ。
「……あーあ。日曜日、終わっちゃうね」
私がぽつりと呟くと、湊が私の腰を抱き寄せる手に、ぎゅっと力を込めた。
その、離したくないと言わんばかりの強引な熱さが、今は何よりも愛おしい。
「……言うな。現実に戻る」
「ふふ。明日は早い?」
「ん。朝イチでドラマの番宣の撮影。……あー、ダルい。行きたくねぇ」
彼は私の服の裾をギュッと握りしめ、子供のように駄々をこねる。
さっきまであんなに深く私を求めてきた男の顔はどこへやら、「国民的スター」の面影もゼロだ。
このギャップに、私は何度惚れ直せばいいのだろう。
「でも、行くんでしょ?」
「……おう。行かねぇと、俺の一番のファンが悲しむだろ」
彼は顔を上げ、私の頬をつんとつついた。
「俺のかっこいいとこ、たまには拝ませてやらねぇとな」
「……はいはい。楽しみにしてますよ」
「おう。しっかり録画しとけよ」
憎まれ口を叩きながらも、その瞳は少し照れくさそうに揺れている。
仕事へのプロ意識と、私への不器用なサービス精神。
それが彼なりの「愛してる」のサインだと、私は知っている。