アンコールはリビングで
「……っ、凪?」

ビクッと肩を震わせた湊の首筋に、ちゅ、と軽くキスを落とす。

「……は!? ちょ、凪っ……急に何……っ」

髪を乾かしてもらって夢心地だったところに、不意打ちのハグとキス。

完全にキャパオーバーになったのか、あの俺様で天邪鬼な湊が、目に見えて動揺し、耳まで真っ赤にして言葉を詰まらせている。

私はその隙に、ソファの後ろから黒い紙袋をさっと取り出し、彼の目の前に差し出した。

「……はい、これ」

「……え?」

「ホワイトデーのお返しと……その、前からずっと気になってたから」

不意打ちの甘やかしコンボからのプレゼントに、湊は完全に翻弄された顔のまま、瞬きを繰り返して紙袋を受け取った。

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