アンコールはリビングで
2. 検証済みの関係値

「えっ……い、一緒に住むって……同棲!?」

あまりの急展開に、私は素っ頓狂な声を上げた。

「だって、私たち付き合ってまだ数日だよ!? さすがに早すぎない……?」

「早すぎません」

早瀬くんは即答した。食い気味に、一切の迷いなく。
彼はテーブルの上で両手を組み、私を説得するための完璧なロジックを展開し始めた。

「凪さんは『付き合って間もない』ということで躊躇されると思いますが、よく考えてみてください。これまでの俺たちの関係値を」

「関係値……?」

「俺たちはこれまで、単なる『仕事相手』や『推しのミュージシャンとファン』ごときではありえない頻度で会ってきましたよね?」

彼は指を一本ずつ立てながら、理路整然と事実を列挙していく。

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