アンコールはリビングで
4. 敗北という名の同意
「……というわけで、引っ越し業者はすでに三社から相見積もりを取っています。内見の候補も、事務所のセキュリティ条件をクリアした物件を三件に絞りました。すべてここからタクシー圏内、凪さんの職場へのアクセスも考慮済みです。……異論、ありませんね?」
もはや「相談」ではなく「決定事項」の通達だ。
有無を言わせぬシゴデキ男の顔をしながら、耳の裏まで真っ赤にしている早瀬くんを見て、私は観念したように笑ってしまった。
「……分かったよ」
「……え?」
「早瀬くんの計画が完璧すぎて、私には拒否権なさそうだしね。……一緒に住もう?」
私がそう告げた瞬間。
早瀬くんの動きがピタリと止まり、大きく見開かれた瞳が揺れた。
「……賢明な判断です」
早瀬くんは震える声でそう言って、ようやく「氷の王子の仮面」を外した。
大きく息を吐き出し、張り詰めていた肩の力を抜いて、ソファの隣に座る私の肩に、ドサリと頭を預けてくる。
「……というわけで、引っ越し業者はすでに三社から相見積もりを取っています。内見の候補も、事務所のセキュリティ条件をクリアした物件を三件に絞りました。すべてここからタクシー圏内、凪さんの職場へのアクセスも考慮済みです。……異論、ありませんね?」
もはや「相談」ではなく「決定事項」の通達だ。
有無を言わせぬシゴデキ男の顔をしながら、耳の裏まで真っ赤にしている早瀬くんを見て、私は観念したように笑ってしまった。
「……分かったよ」
「……え?」
「早瀬くんの計画が完璧すぎて、私には拒否権なさそうだしね。……一緒に住もう?」
私がそう告げた瞬間。
早瀬くんの動きがピタリと止まり、大きく見開かれた瞳が揺れた。
「……賢明な判断です」
早瀬くんは震える声でそう言って、ようやく「氷の王子の仮面」を外した。
大きく息を吐き出し、張り詰めていた肩の力を抜いて、ソファの隣に座る私の肩に、ドサリと頭を預けてくる。