アンコールはリビングで

Special Track 2 盤石の布石

1. デベロッパー早瀬の裏工作

凪さんの家で「同棲プレゼン」を成功させ、彼女から「一緒に住もう」という言質を取ったあの夜から。

俺は、最後の仕事を片付けつつ、6月のデビューに向けた怒涛のスケジュールをこなしながら、水面下で着々と「同棲」に向けたタスクを消化していった。

引っ越し業者の手配、新居の契約手続き、ライフラインの開通予約。

傍から見れば過労死寸前の殺人スケジュールだが、不思議と体は軽かった。

むしろ、これまで以上に精力的で、マグロのように動き続けていないと落ち着かないくらいだ。

そう、今、俺の手の中には「凪さん」がいる。
それだけで、こんなにも無限に力が湧いてくるなんて、自分でも知らなかった。

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