アンコールはリビングで
2. 決戦の土曜日
そして迎えた、挨拶当日。
春の陽気が漂う土曜日の昼下がり、俺は凪さんの実家の最寄り駅の改札前で彼女を待っていた。
「お待たせ! 早瀬くん」
小走りでやってきた凪さんは、いつものオフィスカジュアルでも、デートの時の華やかなワンピースでもなく、ふんわりとしたニットにデニムのロングスカートという、少しリラックスした私服姿だった。
実家に帰るからか、表情もどこか幼く、無防備に見える。
(……くそ、可愛い)
そんな不純な感想を必死に押し殺し、俺は「いえ、俺も今着いたところです」と爽やかな笑顔(営業用スマイル・改)を作った。
「じゃあ、行こうか。歩いて10分くらいだから」
並んで歩き出す。
俺の右手には、凪さんから事前にリサーチしたご両親の好みに合わせて選んだ、最高級のフロランタンと、世界各国のウイスキーが楽しめるミニボトルのテイスティングセットが入った紙袋。
物理的な重さは大したことないはずなのに、心なしかさっきよりずっしりと重く感じる。
そして迎えた、挨拶当日。
春の陽気が漂う土曜日の昼下がり、俺は凪さんの実家の最寄り駅の改札前で彼女を待っていた。
「お待たせ! 早瀬くん」
小走りでやってきた凪さんは、いつものオフィスカジュアルでも、デートの時の華やかなワンピースでもなく、ふんわりとしたニットにデニムのロングスカートという、少しリラックスした私服姿だった。
実家に帰るからか、表情もどこか幼く、無防備に見える。
(……くそ、可愛い)
そんな不純な感想を必死に押し殺し、俺は「いえ、俺も今着いたところです」と爽やかな笑顔(営業用スマイル・改)を作った。
「じゃあ、行こうか。歩いて10分くらいだから」
並んで歩き出す。
俺の右手には、凪さんから事前にリサーチしたご両親の好みに合わせて選んだ、最高級のフロランタンと、世界各国のウイスキーが楽しめるミニボトルのテイスティングセットが入った紙袋。
物理的な重さは大したことないはずなのに、心なしかさっきよりずっしりと重く感じる。