アンコールはリビングで
Special Track 4 アンコールの幕開け
1. 出遅れた彼女の脳内反芻
3月下旬。
桜の蕾がほころび始めた、うららかな春の日。
ついに、私と早瀬くんの「同棲生活」がスタートする引っ越し当日を迎えた。
新居となるのは、彼がデベロッパーとしての職権(?)をフル活用して見つけ出した、都内の閑静な住宅街にあるセキュリティ万全のマンションだ。
「はい、その段ボールは奥の部屋にお願いします。こっちの割れ物は……あ、俺がやりますんで」
リビングでは、引っ越し業者のスタッフたちに的確な指示を出しながら、自らも重い荷物をテキパキと運ぶ早瀬くんの姿があった。
白いTシャツにデニムというラフな格好なのに、汗ひとつかいても爽やかで、言葉遣いも完璧。
まさに「理想のシゴデキ彼氏」だ。
けれど。
忙しなく業者の人たちが出入りする中、私の頭の中は、引っ越しの段取りとは全く別のことでいっぱいだった。
3月下旬。
桜の蕾がほころび始めた、うららかな春の日。
ついに、私と早瀬くんの「同棲生活」がスタートする引っ越し当日を迎えた。
新居となるのは、彼がデベロッパーとしての職権(?)をフル活用して見つけ出した、都内の閑静な住宅街にあるセキュリティ万全のマンションだ。
「はい、その段ボールは奥の部屋にお願いします。こっちの割れ物は……あ、俺がやりますんで」
リビングでは、引っ越し業者のスタッフたちに的確な指示を出しながら、自らも重い荷物をテキパキと運ぶ早瀬くんの姿があった。
白いTシャツにデニムというラフな格好なのに、汗ひとつかいても爽やかで、言葉遣いも完璧。
まさに「理想のシゴデキ彼氏」だ。
けれど。
忙しなく業者の人たちが出入りする中、私の頭の中は、引っ越しの段取りとは全く別のことでいっぱいだった。