アンコールはリビングで
「……絶対、倒れないって、決めてたのによ……っ」

彼の口から零れたのは、強気なスターの言葉でも、オレ様な年下彼氏の言葉でもなく。

ただひたすらに、約束を守れなかった後悔にまみれた、不器用な本音だった。

「……去年の夏……凪が玄関で倒れた時……俺、生きた心地しなかった……っ」

「……え?」

「……俺が倒れたら、今度は凪が自分を責めるだろ……っ。……あんな怖い思い、凪には絶対させたくないんだよ……っ」

ぽろりとこぼれ落ちた、その熱に浮かされたうわごとを聞いた瞬間。

私の心臓が、ドクンと大きく跳ねた。

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