アンコールはリビングで
「わっ、ちょっと湊! 熱あるんだから大人しくしてないと……っ」

「……んー、……」

抗議の声も虚しく、私はあっという間に彼の厚い胸板にすっぽりと閉じ込められてしまった。

背中に回された腕は、熱のせいか、それとも独占欲のせいか、絶対に逃がさないと言わんばかりの強さで私を抱きしめている。

首筋に埋められた彼の顔から、熱い吐息が直接肌に伝わってきて、心臓が爆発しそうになる。

「……どっか、行くなよ」

「湊……」

「……ずっと、俺の特等席にいて……」

子供のようにすりすりと額を擦り付けながら、うわごとみたいに甘く囁かれる言葉。
私の服を、彼の大きな手がぎゅっと力強く握りしめている。

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