アンコールはリビングで
「あ、れ……?」

足の裏から床の感覚が完全に消え去った。
視界が真っ暗に反転し、まるで深い井戸の底へ真っ逆さまに落ちていくような強烈な浮遊感。

「――っ、なぎ!?」

遠くの方で、湊の焦燥しきった叫び声が聞こえた気がした。

けれど、それに答えるよりも早く、私の意識は漆黒の底へと途切れたのだった。

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