アンコールはリビングで
「ただ……状態は非常に深刻です」

医師の言葉に、再び心臓が跳ね上がる。

「極度の過労とストレスによる自律神経失調症、およびそれに伴う迷走神経反射による失神です。加えて、血液検査の結果、慢性的な睡眠不足と重度の栄養失調……貧血と低血糖も併発しています」

「……栄養失調、……」

「はい。身体が『これ以上は動けない』と強制シャットダウンを起こした状態です。……はっきり申し上げますが、発見がもう少し遅れていれば、過労死の一歩手前だったと言っても過言ではありません。最低でも一ヶ月の絶対安静と療養が必要です」

医師の放った『過労死の一歩手前』という言葉が、鋭いナイフのように俺の心臓をグサリと貫いた。

毎日一緒に暮らしていて。
俺の大切な彼女が、死の一歩手前まで自分をすり減らしていたことに、俺は気づけなかった。

いや、自分の忙しさを言い訳にして、止めてやれなかった。

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