アンコールはリビングで
5. 目覚めと、呪いの言葉

窓の外が白み始め、夏の眩しい朝日が病室に差し込み始めた頃。

俺の手の中で、ずっと動かなかった凪の指先が、ぴくりと小さく跳ねた。

「……っ」

顔を上げると、長い睫毛が微かに震え、ゆっくりと、本当にゆっくりと、凪が重たい瞼を開いた。

「……あ、れ……」

消毒液の匂いに顔を顰め、焦点の合わない目で天井を見つめる凪。

そして、ベッドの傍らで自分の手を握りしめている俺の存在に気づくと、ハッと息を呑んだ。

「湊……? 私……」

無事に目覚めてくれた。その安堵感で、視界がぐにゃりと歪む。

けれど、俺が何か言葉を発するよりも早く、凪は掠れた声で、俺の心を最も抉る呪いの言葉を口にした。

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