アンコールはリビングで
「……ごめんね、湊。心配、かけて……私……」

自分が倒れてしまったことへの申し訳なさから、私が小さな声で謝罪を口にすると、湊の表情がさらに苦しげに歪んだ。

「……ふざけんな」

「……え?」

彼はギリッと奥歯を噛み締め、私の細い手を、絶対に逃がさないと言わんばかりの強さでさらにきつく握りしめた。

「……なんで凪が謝るんだよ。……謝るなよ」

堪えきれないように、彼の目から大粒の涙がボロボロと零れ落ちる。

「……俺が、気づけなかったせいだ」

「湊……」

「……毎日一緒にいんのに……凪がこんなになるまで、俺は何もできなかった。自分のことばっかで……全部、俺のせいだ……っ」

彼は、自分自身を深く呪うように、ベッドのシーツに額を擦り付けて震えていた。

その姿を見た瞬間、ハンマーで頭を強く殴られたような衝撃が走った。

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