アンコールはリビングで
3. 断ち切る儀式と、俺様な独占欲

1ヶ月の病休が終わり、いよいよ職場復帰を数日後に控えた、ある休日の午前中。

私は一人でマンションを出て、とある場所へと向かっていた。

数時間後。
すっかり軽くなった頭を揺らしながら、私は少しだけ緊張した面持ちで、自宅の玄関のドアを開けた。

「……ただいま」

「お、帰ってきたか。おかえり。で、どんな感じに切ってきたん……」

リビングのソファから立ち上がり、こちらを振り向いた湊の言葉が、途中でピタリと止まった。

彼は目を大きく見開いたまま、私の頭から足先までをマジマジと見つめ、完全にフリーズしている。

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