アンコールはリビングで
「……なっ、変なわけあるかよ!!」

「えっ」

「……すげぇ可愛い。……ロングも綺麗で良かったけど、その……凪のショート、破壊力やばいわ……っ」

彼は片手で自分の顔を覆い、もう片方の手で自分の前髪をぐしゃぐしゃと掻き乱した。

その顔の赤さと、久しぶりに見た彼らしい素直な反応に、私の胸の奥がきゅんと甘く鳴る。

「あーーっ! もう……っ」

「湊?」

「明日から、それで会社行くのかよ?」

「うん……いよいよ明日から復帰だしね。久しぶりの職場、ちょっと緊張するかも……」

私が苦笑しながら言うと、湊はずんずんと大きな歩幅でこちらに近づいてきて、私の肩をガシッと掴んだ。

「……そうじゃなくて! 凪、久しぶりに職場戻って、そんな……可愛いイメチェンして、会社の男どもが惚れたらどうすんだよ……!」

「……え?」

「心配だ……心配すぎる……。凪、自分の可愛さに無自覚すぎんだよ……」

本気で頭を抱え、恨めしそうに私を睨みつけてくる湊。
その独占欲丸出しの拗ねた顔を見た瞬間、私は堪えきれずに吹き出してしまった。

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