アンコールはリビングで
『……うん。決めた。早瀬くん』

「はい」

『明日からすぐにというわけにはいかないんだけど……来週末、金曜日と土曜日をオフにするから。しっかり休養してきなよ』

さらりと言ってのけたその言葉に、俺は耳を疑った。

6月1日の新曲リリースと、それに伴う全国ツアー。
そこまでノンストップで走り切るつもりでいたし、その覚悟はできていたからだ。

「えっ……本当にいいんすか……?」

『うん。ちゃんと休まないと、良いもの作れないでしょう? だから、よく休んでね』

「でも……まだ新曲の振り入れも途中で……」

『よ、く、や、す、む』

島崎さんの声色が、一段階低くなった。
優しいトーンのままなのに、有無を言わさぬ絶対的な圧力が電話回線越しに伝わってくる。

「は、はい……」

完全にたじたじになる俺。

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