アンコールはリビングで
3. 記憶の底の景色と、特等席の準備

一人になった静かなマンション。
俺は言われた通り、午前中はソファで横になりながら、ひたすら身体を休めることに徹した。

お昼の12時を少し回った頃、スマホが震え、凪からのメッセージが届いた。

『無事、有休取れたよ。行き先決まったら教えてね』

ちょこんと頭を下げるキャラクターの可愛いスタンプが添えられた報告に、俺はフッと笑いをこぼす。

俺は起き上がってタブレットを手に取り、本格的に『目的地』の選定に入った。

行き先は、栃木県の足利。
若者のお忍び旅行にしては少し渋いチョイスかもしれないが、これには確固たる理由があった。

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