アンコールはリビングで
2. 鉄分と俺様シェフ

リビングのソファに、毛布ぐるぐる巻きの状態で強制連行された私は、テレビの音量を小さくして、ひたすらに温まることに専念していた。

キッチンからは、湊が料理をする小気味良い包丁の音と、出汁のいい匂いが漂ってくる。

(……なんか、申し訳ないなぁ)

普段、健康管理には人一倍気を使っている私だけれど、この期間だけはどうしても身体が言うことを聞かない。

ソファからチラリとキッチンを覗き見ると、エプロン姿の国民的スターが、真剣な顔で鍋の中身をかき混ぜていた。

やがて、「できたぞ」という声と共に、ローテーブルに食事が並べられた。

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