アンコールはリビングで
3. 隠された歓喜

(……あー、マジでたまんねぇ)

ソファで小さくなってスープを飲む凪を見下ろしながら、俺は心の中で密かにガッツポーズをキメていた。

普段の凪は、しっかり者で、仕事もバリバリこなして、俺の体調管理まで完璧にこなす「自立した大人の女」だ。
それはそれで最高に愛おしいし、尊敬している。

だが、月に一度のこの数日間だけは別だ。
痛みとだるさで動けなくなった彼女は、嫌でも俺に頼らざるを得なくなる。

普段は「自分でやるからいいよ」と強がる彼女が、「……湊、お水取って……」「……ちょっとだけ、ここ(腰)さすって……」と、子猫のような声で甘えてくるのだ。

この『完全なる依存』状態。
独占欲の塊である俺にとって、これがどれほどのご褒美か、凪は絶対に気づいていない。

< 450 / 628 >

この作品をシェア

pagetop