アンコールはリビングで
2. 助手席の特権
「にしても、この車、本当に静かだね。乗り心地もすごくいいし」
シートに深く身体を預けながら、凪が感心したように車内を見回す。
「だろ? まあ、ゆったり乗っててくれ。着いたら起こすから、寝てていいぞ」
俺は片手でハンドルを握りながら、もう片方の手を伸ばし、センターコンソールに置かれていた彼女の小さな手にそっと自分の手を重ねた。
俺の体調を気遣ってくれているのか、彼女は俺の指を優しく握り返しながら、ふるふると首を横に振った。
「ううん、ずっと起きてるよ。それに……湊こそ、まだ病み上がりなんだから。次のサービスエリアで、運転代わろうか?」
「え? いや、俺は全然平気だけど……」
「ダメ。島崎さんに『しっかり休養させること』って言われてるんだから。少しでも負担は減らさないと」
真剣な顔で俺を見つめてくる凪。
普段なら「俺に任せとけ」と絶対にハンドルを譲らないところだが、彼女の『私にも頼ってほしい』という真っ直ぐな想いが伝わってきて、俺はふっと毒気を抜かれたように笑ってしまった。
「……じゃあ、お言葉に甘えて。次のパーキングで代わってもらおっかな」
「にしても、この車、本当に静かだね。乗り心地もすごくいいし」
シートに深く身体を預けながら、凪が感心したように車内を見回す。
「だろ? まあ、ゆったり乗っててくれ。着いたら起こすから、寝てていいぞ」
俺は片手でハンドルを握りながら、もう片方の手を伸ばし、センターコンソールに置かれていた彼女の小さな手にそっと自分の手を重ねた。
俺の体調を気遣ってくれているのか、彼女は俺の指を優しく握り返しながら、ふるふると首を横に振った。
「ううん、ずっと起きてるよ。それに……湊こそ、まだ病み上がりなんだから。次のサービスエリアで、運転代わろうか?」
「え? いや、俺は全然平気だけど……」
「ダメ。島崎さんに『しっかり休養させること』って言われてるんだから。少しでも負担は減らさないと」
真剣な顔で俺を見つめてくる凪。
普段なら「俺に任せとけ」と絶対にハンドルを譲らないところだが、彼女の『私にも頼ってほしい』という真っ直ぐな想いが伝わってきて、俺はふっと毒気を抜かれたように笑ってしまった。
「……じゃあ、お言葉に甘えて。次のパーキングで代わってもらおっかな」