アンコールはリビングで
「凪ってば、彼氏のこととなると徹底した秘密主義だよね。くー! 今回も凪彼のご尊顔は拝見出来ずじまいかぁ……いつか絶対、紹介してよね!」

「はいはい。分かったから! いつか機会があればね! ……あ、理紗、課長が呼んでるよ?」

「うわっ、ほんとだ。朝の会議の資料、直しの指示かな……もう、ほんと憂鬱。さて、今日も現場の泥水すするぞー。じゃあ、またね、凪!」

「はーい。会議いってらっしゃい。梅田さんにも、よろしくねー!」

慌ただしく給湯室を出ていく理紗の背中を見送りながら、私は自分のデスクへと戻った。

時計の針が、8時30分を指す。
PCを立ち上げ、今日一日のタスクを確認する。

(よし。週明けで仕事も溜まりがちだけど、今日は定時退社を目指して、午前中から飛ばしますか……!)

私は淹れたてのコーヒーを一口飲み、残業を回避すべく、気合いを入れてキーボードを叩き始めた。

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