アンコールはリビングで

31 焦燥のメトロノーム

1. 届いた招待状と、予想外のエスコート

3月の半ば。
私たちの大切な交際4周年記念日を過ぎた頃の、ある週末の夜。

「……はぁ」

リビングのソファに座っていた私は、手元に届いた1枚のハガキを見つめて小さくため息をついていた。

「どうした? なんかトラブルか?」

ダイニングテーブルで、資料を読んでいた湊が、顔を上げずに声をかけてくる。

最近の彼は、アルバム『Sanctuary』のツアーセットリスト決めやライブ演出の打ち合わせ、それに新曲『Melt』のMVで踊るダンスの振り入れなどに追われていて、家に帰ってからもこうして何かしらの作業をしていることが多い。

「ううん。……高校の同窓会の案内が来てて」

「ふーん。行けば? 凪、高校の時の友達とたまにランチとか行ってるじゃん」

資料にペンを走らせながら、事もなげに言う湊。

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