アンコールはリビングで
「うーん……仲良い女友達には会いたいんだけどね。それが8割。……でも、ちょっと気まずいのが2割」

「気まずい?」

ピタ、と。
無意識のうちにペンの動きが止まり、湊が顔を上げてこちらに琥珀色の瞳を向けた。

その少しだけ鋭くなった視線に、私は慌てて言葉を付け加える。

「あ、いや、その……高校の時に、少しだけ付き合ってた人がいるって話……前にしたじゃない?自然消滅みたいな感じだったから、特に後腐れがあるわけじゃないんだけど……」

私が言い淀むと、湊は持っていたペンをコトリと置き、静かに私の次の言葉を待ってくれた。

「なんというか、思い出は思い出のままそっとしておきたいっていうか、今更顔を合わせるのも微妙に気まずくて。……湊が嫌なら、やめとこうかな。行くとしても、絶対一次会だけで帰るし」

私が探るように言うと、湊はしばらくじっと私を見つめた後、手元のスマホを引き寄せてスケジュールアプリの画面をスクロールし始めた。

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