アンコールはリビングで
「もしこの記事を強行するなら、ステラミュージックは今後一切、貴誌の取材・撮影協力をお断りします。来月貴誌が予定している、うちの看板俳優・神崎の独占特集記事。……あれ、明日が撮影日でしたよね? もちろん、白紙撤回させていただきます」

『なっ……!? 島崎さん、それは早瀬の件とは別問題――』

「別ではありません。早瀬湊のプライベートを不当に脅かすということは、ステラミュージック全体を敵に回すということです」

相手が息を呑む気配を電話越しに感じ取りながら、俺は決定的なトドメを刺した。

「……黒田さん、賢明な判断をお願いしますよ。神崎の特集記事と、不確かな憶測記事。どちらが貴誌にとって『長期的な利益』になるか」

電話の向こうで、編集長がギリッと歯軋りする音が聞こえた。

この業界は、力関係とギブ・アンド・テイクがすべてだ。
俺はさらに、とどめの一撃(餌)を投下した。

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