アンコールはリビングで
「……んーん。ただ、華の顔を見たら、なんだかすごく安心して……気が抜けちゃったみたいだ。今日はずっと、気を張ってたからさ」

「ふふっ、そっか。いつも本当にお疲れ様。優太は、私と司と優里の、自慢のパパよ」

華の柔らかくて温かい手が、俺の張り詰めていた神経をゆっくりと解きほぐしていく。

大学時代からずっと、俺のダメなところも弱いところも全部わかっていて、こうしていつでも「帰る場所」を作ってくれる、俺の最愛の妻。

早瀬くんが凪さんに狂うほど執着する気持ちが、俺には痛いほどよく分かる。
俺だって、華と子どもたちに何かあれば、どんな手を使ってでも守り抜く自信があるからだ。

「……やっぱり、俺は華には一生頭が上がらないな。いつも司たちを見てくれて、本当にありがとう」

「もう、急に改まらないでよ。……ほら、お風呂沸いてるから、先に入ってきちゃいな? 買ってきたケーキ、お風呂上がりに一緒に食べよっか」

「うん、そうする」

華に背中を押されるようにして立ち上がり、俺はネクタイを完全に外してバスルームへと向かった。

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