アンコールはリビングで
「23時枠とはいえ、最近この局のラブストーリーはSNSですごくバズってる。早瀬湊として新しい層のファンを獲得する絶好のチャンスだと思うんだけどな……」

「別に、ドラマでファン増やそうなんて思ってないっすよ。……それに、恋愛モノなんて、柄じゃないでしょ」

俺がバッサリと切り捨てると、島崎さんは「とりあえず」と、その台本を俺のバッグに強引にねじ込んだ。

「家で1回だけ、目を通してみてよ。それでも嫌なら、僕からきっちり断るから」

これ以上押し問答をしても無駄だと悟った俺は、渋々その台本を持ち帰ることにした。

どうせ、家に帰ったら適当にパラパラめくって、明日には断りの連絡を入れるつもりだったのだ。

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