アンコールはリビングで
11 灰色の改札と、19時の不審者
1. 魔法が解けた月曜日
月曜日の朝。
目覚ましのアラームが無機質に鳴り響いた瞬間、週末の夢のような時間は終わりを告げた。
一昨日のラグジュアリーなディナー、煌めく夜景、そして首元で輝く「お守り」。
そして昨日の日曜日、一歩も家から出ずに二人で毛布にくるまり、ただただ甘く過ごした微睡みの時間。
そんな幸せな記憶たちは、カーテンの隙間から差し込む灰色の朝光によって、無慈悲な現実へと引き戻されていく。
玄関のドアノブに手をかけた湊が、ふと足を止めた。
いつもなら、ここからはお互いに「仕事の顔」に切り替えてスパッと別れるところだ。
でも、今日は違った。彼もまた、週末の甘い空気をまだ纏っているのか、背中からどこか名残惜しさが漂っている。
「……じゃ、行ってくるわ。島崎さん待ってるし」
振り返った彼は、キャップのツバを少し上げ、私を真っ直ぐに見つめた。
その瞳が、いつもより数秒長く私を捕らえる。
丸二日、ずっと一緒にいた反動だろうか。見えない磁石でお互いが引き寄せられているみたいだ。
私も、一度は「行ってらっしゃい」と言おうとした唇を噤み、彼の襟元に手を伸ばして整えるフリをした。
離れたくない。本音を言えば、このままズル休みして、また昨日みたいに一日中彼とまどろんでいたい。
月曜日の朝。
目覚ましのアラームが無機質に鳴り響いた瞬間、週末の夢のような時間は終わりを告げた。
一昨日のラグジュアリーなディナー、煌めく夜景、そして首元で輝く「お守り」。
そして昨日の日曜日、一歩も家から出ずに二人で毛布にくるまり、ただただ甘く過ごした微睡みの時間。
そんな幸せな記憶たちは、カーテンの隙間から差し込む灰色の朝光によって、無慈悲な現実へと引き戻されていく。
玄関のドアノブに手をかけた湊が、ふと足を止めた。
いつもなら、ここからはお互いに「仕事の顔」に切り替えてスパッと別れるところだ。
でも、今日は違った。彼もまた、週末の甘い空気をまだ纏っているのか、背中からどこか名残惜しさが漂っている。
「……じゃ、行ってくるわ。島崎さん待ってるし」
振り返った彼は、キャップのツバを少し上げ、私を真っ直ぐに見つめた。
その瞳が、いつもより数秒長く私を捕らえる。
丸二日、ずっと一緒にいた反動だろうか。見えない磁石でお互いが引き寄せられているみたいだ。
私も、一度は「行ってらっしゃい」と言おうとした唇を噤み、彼の襟元に手を伸ばして整えるフリをした。
離れたくない。本音を言えば、このままズル休みして、また昨日みたいに一日中彼とまどろんでいたい。