アンコールはリビングで
21時過ぎ。
珍しくダイニングではなく、リビングのソファに並んで座り、ローテーブルで遅めの夕食をかき込む湊が、ふぅ、と深く息を吐き出して箸を置いた。

「お疲れ様、湊。お茶淹れるね」

「ん、ありがと」

私は温かいほうじ茶を彼のマグカップに注ぎ、自分も再び隣に腰を下ろした。

今夜のリビングのテレビには、録画しておいた深夜帯の深掘り音楽番組が映し出されている。

数日後に控える6月1日の新曲リリースと全国ツアーに向けて、湊がゲスト出演した回だ。

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