アンコールはリビングで
2. 剥き出しの弱音と、特等席の体温

俺はローテーブルの上の空になった食器をキッチンへ下げ、テレビの電源を消した。

そして再びリビングへ戻ると、凪のすぐ隣に腰を下ろし、少しだけ体重を預けるようにしてコテンと彼女の華奢な肩に頭を乗せた。

「あ、湊、お皿ありがとうね」

「ん……今日も美味かった。ありがと、凪」

凪は労わるように、俺の短い髪にそっと手を伸ばし、優しく撫でてくれた。
少しひんやりとした彼女の手のひらの感触と、ふわりと香る石鹸の匂い。

張り詰めていた神経が、それだけで嘘みたいに解れていく。

「……さすがに、ちょっと堪えてるわ」

俺は目を閉じ、凪の首筋に顔を埋めたまま、ポツリと本音をこぼした。

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